睡眠の質を上げるためにやることは、突き詰めると「温度」「光」「音」の3つに整理できる、というのが今回の結論。全部を完璧にやろうとしなくていい。20%くらいの労力で70点まで持っていければ十分、というのが今の実感。

専門家でも寝具メーカーでもない一個人が、無料でできる範囲を試した結果をまとめる。睡眠に万人共通の正解はない、という前提は前の記事に書いた。

なぜ「100点」を目指さなくていいのか

睡眠に限らず、僕はもともと100点を狙いにいくタイプじゃない。普段AI自動化で複数の事業を回してるんだけど、そこでも「完璧な仕組みを作る」より「20%の労力で70点を作って、あとは回しながら直す」方がうまくいくと思ってる。睡眠にも、同じ発想を持ち込んだだけの話。

実際、寝具を悪い方向に振り切ってみたこともある。以前、半年くらい床に寝袋を直に敷いて寝ていた時期があって、当時は住環境や仕事の状況も重なり、精神的にもしんどい時期だった。寝具だけが原因とは言い切れないけど、「極端に振り切る」方向にあまり良い記憶はない。

かといって「完璧な睡眠環境」を頑張って揃えようとするのも、それはそれでしんどくなりそうな気がしている。温度も光も音も寝具も全部100点にしようとしたら、時間もお金もキリがない。だから最初から70点くらいを狙いにいく、という考え方にしている。

3原則の全体像 ― 温度・光・音

「何から手をつければいいかわからない」となりがちだけど、僕は温度・光・音の3つに整理して考えている。詳しくは別記事にまとめる予定なので、ここでは全体像だけ書いておく。

原則1:温度・湿度を整える

季節ごとにエアコンや除湿・加湿の設定を見直すだけで、寝苦しさや寒さで目が覚める頻度はかなり変わる印象がある。詳しくは温度・湿度の記事にまとめる。

原則2:光をコントロールする

寝る前の照明や、朝の光の浴び方を見直すという話。ちなみに僕自身は寝る前のスマホの光をあまり気にしないタイプで、この原則の効き方にも個人差があると感じている。詳しくは光・ブルーライトの記事にまとめる。

原則3:音を管理する

生活音や外の騒音への対策。僕は音にも比較的鈍いタイプで、線路のすぐそばでも眠れてしまうんだけど、気になる人にとってはここが一番のストレス源だったりする。詳しくは音・静音の記事にまとめる。

お金をかけずにできる範囲でやる

温度・光・音の3つは、エアコンの設定や家具の配置、照明の使い方を変えるだけで試せるので、大きなお金はかかっていない。どれを一番先にやったか順番ははっきり覚えていないけど、共通しているのは全部タダで試せたという点。逆に寝具は、腰痛がきっかけでマットレスを買い替えるまでお金をかけて解決した、無料の範囲では完結しなかった数少ない例だった。

忙しくて時間もお金もかけたくない、という人ほど、まず無料でできる3原則から触ってみるのがいいと思っている。

今日からできる最初の一歩

3原則はこれから3本の記事に分けて書いていくけど、全部を一気にやらなくていい。ここでは今日からタダで試せる小さな習慣を1つだけ紹介する。

僕が昔からやっているのは、寝るときに頭の中で適当な話を作って想像すること。仕事の心配事を考え始めると逆に目が冴えるんだけど、架空のストーリーを組み立てていると、そっちに意識が向いて余計なことを考えなくなる感覚がある。気づいたら寝落ちしていることが多い。

完全に自己流の癖だと思っていたけど、調べたら近い研究があった。2002年発表の研究(Harvey, A. G., & Payne, S., Behaviour Research and Therapy, 40(3), 267-277)では、寝つきに悩む人41人を「情景を思い浮かべるグループ」「なんとなく気をそらすグループ」「指示なしグループ」に分けて比較し、情景を思い浮かべるグループだけ寝る前の嫌な考え事が減り、寝つきも良かったと報告されている。

一つの研究の結果だし効果には個人差があると思うけど、「頭の中を具体的な想像で埋めると、余計な心配事が入り込む余地が減る」という発想は僕の体感ともかなり近い。今夜からタダで試せることとして、まずはこれだけでも試してみてほしい。

3つ全部を完璧にやる必要はない。今日紹介した想像の話でも、温度・湿度光・ブルーライト音・静音のどれかでもいい。20%の努力で70点、くらいの気楽さでやっていきたい。