正直に言うと、温度と湿度についてはこれまでちゃんと考えたことがなかった。光や音は「気にならない体質」だと開き直れたけど、温度・湿度は単に「なんとなくエアコンをつけたり消したりしてきただけ」で、良いのか悪いのかすら考えたことがなかったのが本当のところだ。

だから今回は体験談というより、「そんなに詳しくなかったので調べてみた」というスタンスで書く。調べる中で、ネットでよく見かける「厚労省が湿度50%を推奨している」という話が、実は原文には無かったという発見もあったので、それも正直に書いておく。

夏、暑くて夜中に目が覚めるという話はよく聞く

夜中に暑くて目が覚める、寝苦しくて何度も起きる、という悩みは周りでもよく聞く。自分にそこまで強い実感があるわけじゃないけど、調べてみると対策のヒントになりそうな情報がいくつかあった。

環境省の熱中症予防マニュアルには「快適に眠れる室温の上限は28℃と言われる」とあり、エアコンの切タイマーについても「夜間はタイマーが切れた後に室温が非常に高くなることがある。少なくとも3〜4時間は使用しましょう」という注意が書かれていた。

もう少し具体的な数字も見つけた。パナソニックが公開している実証実験(6畳の試験室、冷房28℃設定、初期室温30℃から8時間計測)によると、つけっぱなしなら室温は26〜27℃で安定した一方、3時間で切タイマーを使うと停止から30分後には28.6℃、明け方には31.2℃まで上がっていたそうだ。電気代の差は一晩約15円、30日間毎日使ったとしても約456円という試算(契約プランで変わる目安の数字ではあるけど)。この程度の差なら、暑さで起きるくらいならつけっぱなしにするのもありだと今は思っている。

冬、寒さで目が覚めるのは体への負担も大きいらしい

冬に寒くて何度も目が覚める、という声もよく聞く。厚労省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によると、寝室の室温が下がったこと自体が睡眠を悪化させるという報告は実はそれほど多くなく、寝具さえしっかりしていれば寝床の中は暖かく保てるため、睡眠への影響は比較的小さいと考えられているらしい。

ただし体への負担という面では話が別で、夜中にトイレに行くときや早朝起床時に急な寒さにさらされると、血圧が急上昇して脳卒中や心筋梗塞につながるおそれがあると書かれていた。冬に行われた調査では、寝る前に過ごす部屋の室温が低いと寝つくまでの時間が延びる傾向も報告されているそうで、「寝室そのものを暖める」より「寝る前にいる部屋を暖かくしておく」ほうが大事らしい。

結局、寝室は何度・何%が目安なのか

温度については、WHOが2018年に発表した「Housing and Health Guidelines」の中で、冬の室内温度は18℃以上を「強く」推奨するとされている。65歳以上の高齢者や持病がある人は18℃以上を保つことが大事で、若く健康な人はこれをやや下回っても良いという見方もあるようだ。厚労省の睡眠ガイド2023も、このWHOの18℃基準を出典として紹介している。もちろん「18℃にすれば眠れる」という保証ではなく、あくまで健康リスクを減らすための目安、という位置づけだ。

一方、湿度については意外な発見があった。「厚労省が寝室の湿度は50%前後を推奨している」という話をネットでよく見かけたので公式な数値目標だと思っていたら、厚労省のガイド原文(58ページ)を最初から最後まで読んでも、湿度の具体的な数値目標はどこにも出てこなかった。温度・光・音については書かれているのに、湿度だけ項目が無い。おそらくネット上の記事が孫引きを重ねるうちに、いつの間にか「厚労省の推奨」ということになってしまったんじゃないかと思う。

とはいえ湿度が無関係というわけではなく、家電メーカーや寝具業界では「通年40〜60%程度」を目安にするという紹介がよく見られる。これは厚労省の公式見解ではなく、業界でよく言われている目安として受け止めておくのが正直なところだと思う。「寝床の中は33℃・湿度50%くらいが理想」という話もよく聞くけど、これも僕が調べた範囲では出どころがはっきりした研究までは辿れなかった。

僕がやってる温湿度管理(正直、まだこれから)

ここまで偉そうに書いておいて何だけど、正直、今まで温度も湿度も体感任せで、ちゃんと管理したことがなかった。湿度計も置いたことがないし、エアコンのタイマーも何となく使っていただけだ。ただ今回調べてみて、これから試したいと思っていることはいくつかある。

  • 夏は切タイマーを使うなら3〜4時間以上にする、もしくは思い切ってつけっぱなしにする。電気代の差が一晩15円程度なら、明け方に暑さで起きるよりましだと思う。
  • 冬は寝室そのものより、寝る前に過ごす部屋を暖かくしておく。朝方トイレに行くときの急な寒さにも、もう少し気をつけたい。
  • 湿度計を置いて、体感じゃなく数字で見るようにする。環境省のマニュアルでも「温湿度計でこまめにチェック」が勧められていたので、まずはこれくらいから始めようと思っている。

「やってる」というよりまだ「やろうと思っている」段階だけど、これまで何となく体感だけで過ごしていたところに、目安になる数字ができただけでも、今回調べた意味はあったと思う。

これで睡眠の3原則のうち、に続いて、温度・湿度についても書き終えたことになる。3原則の考え方は「20%の努力で70点の睡眠に到達する3原則」にまとめてある。次は寝具の話も、いずれ書いていくつもりでいる。